2022年度理事長所信

共創~価値のある新たな時代へ~共創~価値のある新たな時代へ~
2021年度一般財団法人加古川青年会議所 第63代理事長 原田哲2021年度一般財団法人加古川青年会議所 第63代理事長 原田哲

2022年度一般社団法人加古川青年会議所
第64代理事長 矢根 和紀

はじめに

 「新日本の再建は青年の責務である」と1949年に東京青年商工会議所が設立趣旨を唱え、全国の青年会議所運動が始まりました。加古川青年会議所は、1958年に38名の青年の運動により発足し、運動を進めていく中でこの地域経済はじめ地場産業を支える数多くの地域の著名人を輩出してきました。 しかし、新型コロナウイルスが社会情勢に様々な変化を起こし、ニューノーマルな時代へと急転換をしました。私たちの生活習慣を大きく変え、人々の価値観や働き方をも変えました。また、200年以上続いた土の時代から風の時代に突入した転換期の時代でもあります。
 先輩諸兄が積み重ねてこられた底知れぬ英知と弛まぬ勇気と熱い情熱の下で新陳代謝を繰り返してきた私たちの組織においては、今、会員減少という窮地に立たされています。
 このような状況下ではありますが、我々は何事も前向きに捉えて変化に対応し、経済や社会に新しいものを生み出すムーブメントを今まで以上に巻き起こす必要があります。そのためには、組織の若返りと、急速な人財育成を行い、積極的に新しい意見を取り入れていかなければいけません。
 急転換した社会では、オンラインでの関わりが容易となり、これまで当たり前であった対面形式は淘汰され、メンバーの積極的な交流を主とした運動は自粛せざるを得なくなりました。しかし、今後はこのまちに対し、加古川青年会議所としてのスケールメリットを活かしながら、我々にしかできない模範となる運動を展開していかなければいけません。
 2022年度は、加古川青年会議所が発足され64年目の年であり、人間でいうと成熟期にあたると考えます。これまでの伝統と歴史の継承と新たな時代への挑戦として、このまちの明るい豊かな社会の実現に向けて社会・経済にイノベーションを発信する自覚をもち、このまちと共に成長できる青年経済団体として、次世代の人財育成を強化してまいります。

 

 

リーダーの資質の育成

 暗闇と不安の中で、誰もが立ちすくんでしまうような時代において、足元を照らす運動や活動を展開し、その光が照らす道を力強く歩み進んでいかなければなりません。まずは、私たちが影響力溢れるひとづくりを行うことで、地域で最も輝いている団体を目指していきましょう。
 また、「ひとづくり」にも「まちづくり」にも、一人の優れたメンバーが変化を先導するのではなく、メンバー一丸で力を合わせて「ともに」変化を起こす時代の青年会議所を創り出していきます。そのためには、組織学を学び、リーダーシップを発揮できるように常に実践的なトレーニングを行い、全メンバーの能力向上に努めなくてはいけません。
 そして、JCで学べることは時間の使い方や本質の見極め方です。それを得るには、4つの機会である「個人の機会」「地域の機会」「国際の機会」「ビジネスの機会」に対して参画することです。リーダーとしての基盤を確立するためにも、積極的にJC活動することで、個人的な成長と他者に与える影響力を高めていきましょう。

 

 

時流に沿った組織運営

 JC運動の根幹は事業計画書にあり、文字で表現された個性溢れる未来図によって、青年経済人としての基盤となる骨組みを学ぶことが出来ます。また、緊急事態宣言による外出自粛というピンチは私たちにとって変わるきっかけとなり、会議体においてはオンライン会議が主流となったことで、従来では参加が難しかったメンバーも移動先や自宅から参加が可能となりました。今後はさらに、オンラインによる白熱ある会議体運営の中にも、効率化と簡素化を掛け合わせ、活気溢れる合理的な仕組みを構築し、誰もが再現可能なフォーマットを用いることで、時流に沿った成長と、次世代を担うメンバーの成長を促さなければなりません。また、このまちに対して最大の運動を展開し、やり甲斐や地域のニーズに対して相互扶助の精神をもって地域貢献を行いましょう。
 さらに、新たな取り組みや情報交換ができる近隣LOMの同志との交流は、友情をお互いに承認し合うことで深まり、強固な連携創りにつながります。

 

 

新たな価値観と一枚岩の組織の創出

我々の運動の発信には、SNS媒体などによるアウターブランディングと、個と個が組織内で相乗効果を起こすことで高まるインナーブランディングがあります。それらを掛け合わせることで、JC運動の発信はより強固になり、他団体に対しても、躍動感のあるブランディングを推進することができます。そのためには、帰属意識を高め合い、存在価値を発揮できる取り組みを力強く発信する必要があります。また、アフターコロナ禍においてはデジタルの最先端技術を活用し、私たちの運動をより一層加速させなければなりません。さらに、会員名簿や名刺には、本年度の方向性を示した個性溢れるツールであるためにインパクトあるデザインと内容が必要です。そして、このまちから必要とされるJAYCEEであるためには、先輩諸兄に築き上げていただいた歴史に誇りをもち、64年もの歴史と伝統をしっかりと胸に刻み、活気溢れるこのまちの未来を共に描く必要があります。
 我々の活動には多くの自己研鑽できる機会の場があり、様々な経験を得ることができます。国内の青年会議所の同志からの刺激や、国外の青年会議所の歴史や風土を学ぶことは、自らの成長を促進できるきっかけとなります。そのためには、自分に刺激を与えながら、多くの交流を行うことで力強い組織を目指しましょう。
 そして、我々は青年経済人であることを忘れてはいけません。アフターコロナ禍の時代において、今まで以上の斬新な発想力と時代を先取る先見性は、価値観を高めるうえで重要です。また、人を巻き込む影響力や人間力の向上のうえで得られる、成果にコミットできるスピード感を実現する必要があり、そのためには在籍年数が浅く組織の価値を学び切れないことが懸念される中、脈々と受け継がれるJAYCEEの価値を繋げるように即実践する習慣化と自らの能力開発を行い、積極的に良質な情報を学び受け、マネージメントスキルや行動スキームを身につけることでLOMの組織力向上につなげましょう。

 

 

密なつながりと一体感のある絆づくり

 新しい視点で課題解決に取り組まれた先輩諸兄と、活気溢れるこのまちの魅力を共に描くためには、出逢いや御縁への感謝を噛みしめることで帰属意識を高め合えるつながりをもつことが必要です。そして、私たちを下支えしてくれている家族への感謝を表現することで、信頼が溢れ、お互いを理解し合い承認し合える関係が築けます。
 また、JCの特徴の1つとして単年度制があります。毎年役割が変わるなかでも唯一途絶えることなく存在する事業が、会員拡大です。加古川青年会議所がさらに力強い組織になるためには、仕組み化された拡大戦略が重要であり、何よりも我々が一番JCを楽しまなければいけません。学び多きJCだからこそ、ひとづくりを率先して行うことで、躍動的な会員拡大が実現します。さらに、JC運動が未来に向けてより強固な架け橋となるために、想い出を刻み合い、卒業生が肌で感じた想いを継承していきましょう。

 

 

ダイバーシティの実現に向けたまちづくり

 新型コロナウイルスの影響により、各種大会などにおいては子どもたちが力を発揮する機会が大幅に減少しました。まず、地域社会に影響を与える団体として私たちがするべきことは、アフターコロナを待ち続けるのではなく、行動することです。そして、子どもたちの成長のためには、力を発揮する機会を提供し、夢を描き希望をもたせ、未来へ挑戦することへの自覚を養ってもらうことが重要です。このまちの有形資源を活用し、新たな魅力創りを進め、賑わいを生み共に成長し合いましょう。
 また、2045年には少子高齢化によって、現実化していく社会保障増大、労働力不足の社会と日本の人口減が予測されています。労働人口が減少する中でも地域経済を維持し続けられるよう、潜在的な労働力を顕在化させる必要があります。個々のQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を高め、社会に新たな労働力を創出しようと考える視点を養い積極的に取り組むことで、持続可能な社会への構築につながります。
 そして、多様な人財を活用し、日本人の食や農業の歴史を通じて地域とのつながりやサステナビリティ溢れる社会を築いていくことで、このまちの新たな一歩となる価値を生み出しましょう。

 

 

最後に

 私は、2013年に入会し、理事面談で理事長になりたいと強く決意表明したことを覚えています。振り返ると、私にとって青年会議所活動は、自己成長をする修練の連続でした。
 加古川青年会議所は、生涯続く仲間との絆、愛する家族への感謝や社業の発展など、無くてはならない魅力が溢れている団体であることを強く伝えたいと考えています。
 数多くの先輩諸兄はじめ、このまちの方々に支えられ64年目を迎えることが出来たことを心より感謝し、この「道」を今後絶やすことなく着実に大きく踏み出せる1年にできるよう、光り輝くJAYCEEを育成し、このまちから必要とされる組織を創ってまいります。

 この道を行けばどうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし 踏み出せば その一歩が道となる 迷わず行けよ 行けばわかるさ