2019年度理事長所信

道徳経済合一のまちづくり道徳経済合一のまちづくり
2019年度一般財団法人加古川青年会議所 第61代理事長 柴田壮平img2019年度一般財団法人加古川青年会議所 第61代理事長 柴田壮平img

2019年度一般社団法人加古川青年会議所
第61代理事長 柴田 壮平

はじめに

 1958年(昭和33年)、この地域に未来を照らす38名の青年たちによって、「明るい豊かな社会」を目指す加古川青年会議所は全国で151番目のLOMとして立ち上がりました。戦後の復興は落ち着きながらも、自分自身も大変な状況におかれているにもかかわらず、社会への奉仕、自身の修練、仲間たちとの友情を信念にもち、ここに住み暮らすひとやまちを明るい未来へ導くために情熱を持った運動が進められ、時代が変わりながらもこの精神は継承され今日に至ります。
 「JCしかなかった時代」から「JCもある時代」と言われている今、我々が本当にこの地域で必要とされる団体である「JCとしての存在意義」、地域のためにできることやJCにしかできないことを創造する「JCとしての使命」を自覚し活動してまいります。
 61年目を迎えた本年、諸先輩方が紡いでこられた60年の歴史と伝統を受け継ぎ、この地域への感謝の心を忘れることなく勇猛果敢に行動し、この一年が更なる大きな飛躍の年になることをお約束いたします。

 

 

地域を牽引するリーダーの育成

 加古川青年会議所は設立当初より、リーダーシップと地域貢献という2つの学びを与え、地域を牽引する人材を多く輩出してきました。時代の変化はありながらも加古川青年会議所に所属する会員は、社業において自社を大きな発展へと繋げることが重要であり、さらにはオピニオンリーダーとして地域で活躍する必要があります。地域貢献の精神性を兼ね備えた青年経済人こそが、青年会議所や地域を盛り立て、明るい未来へと導くリーダーであると考えます。
 「なせば成る なさねば成らぬ 何事も 成らぬは人のなさぬなりけり」江戸時代の大名である上杉鷹山の言葉で、学生時代から座右の銘としてきました。私の人生の中では多くの失敗があり、成果が伴わないことも多々ありました。青年会議所に入会し活動していく中でも多くの困難があり、高い壁に阻まれることもあります。しかし、何事も挑戦しなければ始まらない。しかし挑戦するだけで成果は得られない。「とりあえずやってみよう」ではなく、「最後までやりきる」ことが大切であると感じさせられた言葉であり、この言葉を信念に持ち青年期を過ごしてきました。このような時に妥協するのではなく、失敗を恐れぬ勇気、困難に立ち向かう決心を持ち果敢に挑戦することができました。
 今でも毎年多くの青年が様々な目的を持ち、この加古川青年会議所の門をたたきます。それぞれに事情を持った多様な人材である新たなメンバーが同じ志を持ち、我々と共に活動し、地域においてもオピニオンリーダーとなるように導きましょう
 同じ志を持った青年経済人が多く集うことで会員同士が磨き合える場となり、一人ひとりが帰属に対する意識を高めることでより強固な組織となります。JCに対して魅力を感じ、誇りを持ち続けることのできる地域を牽引するリーダーへと導きましょう。

 

 

秩序ある一致団結した組織運営

 青年会議所には秩序を保った厳格な組織運営が求められ、在籍する会員が同じ目的を持ち一致団結した組織を目指すことが必要です。
 青年会議所にとって会議は組織の根幹であり、規律を守った緊張感のある会議を行えば責任をもった議論の場となり、最適なツールを使用すれば効率よく運営を行うことができ、よりよい事業構築へとつながります。そして、LOMの最高意思決定機関である総会や理事会の運営は特に厳粛に行いましょう。
 また、一致団結した組織を作るには会員同士が広い視野と見識を持ち、確固たる信頼関係を築く必要があります。青年会議所活動の中には多くの諸会議や大会があります。グローバルな感覚を直接体感することで自身の視野を広めるきっかけとなり、国内各所の青年会議所に所属する同志との出会いや交流は、お互いを刺激し合う環境となります。さらには、同じ理念のもとに活動する同志と交流を行うことで友情を育み強い絆が生まれます。機会の重要性を認識した上で、多くの交流の場に積極的に踏み出しましょう。

 

 

継続性のある共感の発信

 社会貢献活動とは形が見えにくく、結果や功績が具現化して残りにくい性質であると考えます。どんなに素晴らしい活動を行っても、素晴らしい実績を発信したとしても、その経緯や結果を地域の方々に共感していただかなければ意味がありません。行政や一部の市民との関わりに留まることなく、より広域に我々の運動・活動を積極的かつ有効的に発信し理解を得ることが必要です。
 行政や地域団体と有機的な繋がりを意識し連携することで更なる協働となり、多面的に捉えた交流を行うことによって過去に培ってきた信頼関係がより深くなります。そして、我々の力強い運動と幅広い活動を地域社会に発信することで、JCとしての確固たるブランディングに繋がり、多くの方々から賛同を得ることができます。
 また、私たちの活動である地域の課題や問題点などを解決する過程を市民のニーズに合った情報として告知し、その結果や実績を発信することで今後の運動、活動に対して更なる共感を得ることができます。そのためにはツールの選定が重要になってきます。WEBサイトやSNS、紙媒体など様々ある中でそれぞれの特徴を生かし、我々の魅力を戦略的に発信しましょう。

 

 

会員の拡大と品格ある強いJAYCEE

 青年会議所は「学び舎」と言われることがあります。会員には、企業の経営者、また経営に関わるリーダーとして活躍する青年経済人が多く在籍する組織であります。その会員同士が切磋琢磨し、課題点に対して真剣に議論し解決へと導き、地域の未来や夢を語り合う、それが「学び舎」と言われる由縁であると考えます。 昨今の青年会議所活動の課題点を取り上げると、会員の減少と在籍年数が短い会員の増加傾向があります。会員の平均在籍年数は4年5ヵ月と言われております。入会が遅ければ青年会議所での学びが少ない訳ではありませんが、在籍年数が長いとそれだけ多くの経験を積むことができ、より多くの方々と関わり得ることができます。 まずは、「学び舎」といわれる青年会議所を会員各々が理解し、会員が新たな同志へと継続的に繋がりの種を蒔き続け、今後の拡大方程式を確立することが必要です。青年会議所活動の根幹である会員拡大を会員全体で積極的に行い、将来一翼を担う同志を一人でも多く迎え入れ、会員を増加させることが直接的な組織の強化につながります。 また、組織を構成するのは個であるとも考えます。その個である会員一人ひとりの魅力や品格なくして組織の魅力はありません。会員の成長や、資質の向上に努めることは地域にとっても重要なことであり、社業にも効果を発揮できると考えます。私たち自身が大きく成長し、自身の企業が潤い、人生が豊かになれば、地域社会のリーダーとして活躍することができ、まちに貢献することができます。40歳までの青年経済人が集まる組織であり、社業に勤しむ多忙な時期だからこそ「学び舎」から未来のJCを背負い、礼儀や礼節を身につけた地域を牽引していける、品格ある強いJAYCEEを育成しましょう。

 

 

郷土への誇り、そして次代に想うこと

 私たちの活動エリアである加古川市、稲美町、播磨町は歴史や文化は異なりますが、確固たるコミュニティとして繋がり連携しています。その昔、播磨国として栄えたこの地域には、多様な漁業の場となり海産物豊富な瀬戸内海、高御位山をはじめ播磨アルプスと呼ばれる多くの山々、そして兵庫県最長の一級河川である加古川があります。その多くの自然に囲まれ、地域の政策や公共交通機関の充実、近隣へのアクセス等、とても住みやすいまちであると考えます。しかし、人が地域に頼らずとも何不自由なく生活ができてしまうがため、郷土愛が希薄化してきているのも現状です。自分たちの住む地域の事をよく知り、風土を活かし、創意工夫し、郷土への誇りを醸成することが必要です。 まずは我々が地域の現状を正確に知り、広い1市2町の地域の現状を再認識し、このまちが持つ歴史、文化、風土など、それぞれの特徴をよく学び考えることが重要であると考えます。そして、正確な知識見識を持った我々が正しい郷土の魅力を地域に発信していくことで、郷土愛をもたらすまちづくりができます。 また、青少年の健全な育成は、責任世代である我々にとって取り組むべき課題であり、知識や学んできたことを次代に紡いでいくことが必要です。 昨今、インターネットやSNSなどの普及により、パソコンやスマートフォンを手に取れば得られる情報が一昔前より格段に多くなり、子供たちの知識や興味が自身の経験よりネット社会の情報に向いていると考えます。漠然とした夢を描く幼少期、感受性豊かな少年期にこそ未来の自分について考える機会が重要です。教科書では学べない経験、経験から学ぶ想像力、無理難題を乗り越えた達成感が感性を伸ばします。地域の現状を知り、夢を描き、諦めない心を醸成し、地域一体となり共に学び成長しましょう。

 

 

結びに

私が青年会議所に入会してからよく聞く言葉がある。
「JC楽しんでますか?」
青年会議所の活動は任意であるがゆえ、
取り組み方によって多くの経験や学びを得ることができ、入会する前と卒業した後で個々の意識が大きく変わる団体は他にないと思う。
40歳までの限りある時間の中で精一杯の活動をする、それを最後までやりきることが重要である。
こうしている間にも会社の仲間が私の代わりをしてくれている。
子供たちを見守り育ててくれている家族がいる。
私の代わりをしてくれている人の分まで1秒たりとも無駄にすることなく真剣に取り組まなければならない。
限られた時間、大きく成長し、大いに楽しもう。
瞬間(とき)を楽しむJAYCEEであれ…