2018年度理事長所信

道徳経済合一のまちづくり道徳経済合一のまちづくり
2018年度一般財団法人加古川青年会議所 第60代理事長 木下武彦img2018年度一般財団法人加古川青年会議所 第60代理事長 木下武彦img

2018年度一般社団法人加古川青年会議所
第60代理事長 木下 武彦

 日本の青年会議所は、1949年の戦後混乱期から復興する中で『互いに切磋琢磨し、今後の日本の各界における指導者として基礎を確立し、青年らしい情熱を燃やして「より良い社会」を着々と実現していこう』という理念のもとに生まれました。その後、次々と各地に青年会議所が誕生します。そしてついに1958年(昭和33年)、高い志を持った38名の青年らによって加古川青年会議所は設立されました。この志はこれまで諸先輩方のたゆまぬ努力と情熱によって脈々と受け継がれてきました。
 2018年、一般社団法人加古川青年会議所は60周年を迎えます。私たちは、この記念すべき60周年を迎えるにあたり、諸先輩方のこれまでの活動及び功績に感謝と敬意を表すとともに受け継がれた想いを今後70年、80年と永続的に紡いでいかねばなりません。
 「60年」は人間でいえば「還暦」にあたり、第二の成熟した人生を歩み始める節目の年です。この年を機に加古川青年会議所もこれまでの活動を振り返り、原点を見つめなおし、メンバー一丸となって新たな一歩を踏み出しましょう。

 

 

加古川青年会議所のブランディングの確立

 これまでの歴史を築いてこられた諸先輩方の想いを絶やすことなく、さらに発展させるために、そして私たちの運動・活動をより実りあるものにするためにも会員の増加が必須です。「数は力、質は強さ」となります。同じ志を持った青年経済人の賛同者を一人でも多く拡大させて参りましょう。
 昨今、在籍年数の短い会員の増加が見られます。社会貢献活動を展開する団体が増加するなか、「JCしかない時代」は終わりを告げ、「JCもある時代」と認識されていることも一因と考えられます。
 しかし、青年会議所のように教育、政治、経済業界を牽引する多種多様なメンバーを擁し、現代社会における課題を多面的に捉え、解析し解決する力を備えた団体は他にありません。
 また、青年会議所は世界120カ国以上にその団体を持ち、各国の社会ニーズに応じた活動を展開しています。私たちは、国際情勢も俯瞰しながら、地域に根付いた活動ができる唯一の団体といっても過言ではありません。

 今後、私たちの運動・活動をさらに幅広く展開、深化させるために、加古川青年会議所のブランディングが必須であると考えます。
そのためには、まず、メンバー一人ひとりに青年会議所の掲げる理念、理想を共有し、青年会議所の強み、魅力、他団体との差異性を理解することが重要です。そうすることで帰属意識が高まり、インナーブランディングが強化、確立されます。
 また、同時に私たちの活動をあらゆる広報媒体を活用して、効果的に幅広い年代層及び社会層に発信していくことでアウターブランディングを確立させることも重要です。
 加古川青年会議所のブランディングを確立させることは、各青年経済人として活躍するメンバーの社業ブランディングにもつながると考えます。

 また、青年会議所の組織運営についても課題を明確化し、その手法も再考する必要があります。青年会議所のメンバーである私たちが目指すのは各界の指導者としての気概を持ち、情熱を燃やし、切磋琢磨して、「明るい豊かな社 会」の構築を実現していくことです。そのために今何を議論し実行するべきなのか。限られた時間を有意義に使い、与えられた任務を精一杯果たすための衆知を集めましょう。遵守すべきこと、変革すべきことを明確化し、時代や人々の要請に応えることも青年会議所の使命であると考えます。

 

 

高い道徳性を兼ね備えた青年経済人の育成

 私たちは加古川青年会議所に所属するメンバーである前に青年経済人であることを忘れてはいけません。この地域を明るく照らしていくためにも、「売り手よし 買い手よし 世間よし」、いわゆる「三方よし」の健全な企業経営が必要不可欠です。
 そもそも企業は何のためにあるのでしょうか。それは人々の幸福や社会の安寧に貢献するためであると考えます。つまり、企業経営は人間としてどうあるべきか、どう生きるべきかという問いにもつながるのです。青年会議所はその学びの場でもあらねばなりません。私たちは、地域を牽引するオピニオンリーダーとして学び続け、深い見識と幅広い視点を持った経営道を模索し続ける責務を負っているのです。

 

 

地域創生と徳育

 地域活性化のためには観光戦略が不可欠です。日本は2003年から現在に至るまで「観光立国」を成長戦略のキーワードとして掲げてきました。「日本再興戦略」においても地方における観光産業の興進が日本全体の成長につながることが示されており、その役割は益々重要になっています。
 私たちの活動する地域には人的にも物的にも豊富な資源があります。現存するそれらの地域の資源を継承しながら、新しい地域の資源を発見、創造を目指したいと考えます。そのためには地域の方々や他団体との協力が必要不可欠です。未来を担う子供たちからこの地域の歴史を知る高齢者まで、多層の年代の人々が交わり郷土の歴史を知り、理解を深め、有形無形の宝を再発見することで郷土愛の醸成を目指しましょう。
 私が郷土愛の醸成とともに力を入れたいものが「徳育」の充実です。戦後における日本の教育の一番の問題点は「徳育」の軽視にあると考えます。戦後、焦土と化した国土から先人は、懸命なる努力と泥炭の苦しみを耐え抜きながら日本を豊かな国に導きました。しかし、現代の私たちは先人によってもたらされた豊かさを当たり前のように享受し、軽薄な風潮に流されているようにおもわれます。
 今一度、地域総掛かりで徳育のあり方を再考し、日本人の美徳とされた万物への畏敬の念、他者を慮る道徳心を醸成し次代の子供たちへとつないでいかなければなりません。

 

 

感謝と決意を新たに

 本年度は加古川青年会議所が生誕60周年を迎え、成熟した第二の人生をスタートさせる節目であります。
 加古川青年会議所を永続的に発展させていくために、そして、社業及び地域を発展させるためには、多様性を認め道徳性をもって活動していくことが重要であると考え、スローガンを「道徳経済合一のまちづくり~感歴の60年 主座を保ち多様性を認めよう~」としました。
 最後に、これまで加古川青年会議所を育て、導いていただいた皆様のひとかたならぬご指導、ご協力に感謝申し上げるとともに、新たなビジョンのもと
「明るい豊かな社会の構築」を目指し、メンバー一丸となって邁進してまいります。