2017年度理事長所信

日本の心を学ぶまちづくり 和を貴び衆知を集めよう日本の心を学ぶまちづくり 和を貴び衆知を集めよう
2017年度一般財団法人加古川青年会議所 第59代理事長 前川桂恵三img2017年度一般財団法人加古川青年会議所 第59代理事長 前川桂恵三img

2017年度一般社団法人加古川青年会議所
第59代理事長 前川 桂恵三

理事長ブログ

はじめに ― 歴史と伝統への感謝と次代に向けた使命感

加古川青年会議所は、昭和33年に、38名の志高き青年によって、日本で151番目、兵庫県で4番目の青年会議所として設立されました。創立から59年間に亘って、多くの青年の英知と勇気と情熱によって、地域社会の改善に寄与し、互いの人格を高め合い、真の友情を培う活動や運動が続けられてきています。戦後荒廃した国土に新日本建設の使命に燃えた先人の志とこれまでの歴史と伝統に対して、私たちは、深く敬意と感謝を表すとともに、その想いを受け継ぎながら時代とともに日に新たに生成発展を遂げていくことに挑戦して参りましょう。
そのためには、社会の現状を改めて把握し、次なる時代に向けて、同志を飛躍的に拡大し、組織力と社会的影響力を高め、さらなる繁栄の時代を築いていくという強い使命感を持たなければなりません。
そして、その使命を果たすために、私たちの理念に基づいた長期的展望を行い、時代に合わせて変革を遂げながら、青年として、愛すべき郷土のまちづくりを担う指導者たらんとする自覚を持って共に学び、協働して地道な活動を一つ一つ積み上げていくことが肝要です。
日本は、古代から連綿と続く歴史と日本の気候風土のなかで、主座を保ちながら調和や平和といった和を尊重し、古今東西の衆知を集めるようにして日本独自の豊かな精神文化を育んできました。そうした日本の伝統精神を心にしっかりと持ち、地域とともに活動していきたいと考えます。積小為大の精神で経営を実践し、和して親しみ一致団結し、この組織をさらに発展させ、そして歴史と風土に基づいた日本の心を学ぶまちづくりを実現するために、世のため、人のため、ひいては自分のため、和を大切にして衆知を集め、笑顔で夢に向かって共に歩んで参りましょう。


長期的展望に立ったこのまちと私たちのビジョンを描こう

日本の現状をみますと、人口減少社会の突入とともに、少子化が経済に影響を与えつつあり、東京一極集中の限界と地方の自立が叫ばれ、地域の特色を活かした地域再生が求められています。また、戦後の経済成長の末で物質的な豊かさを得る一方で、精神的な貧困と教育のあり方が問われ、日本の伝統精神が見直されています。さらに、地球規模での環境・エネルギー問題や国際情勢の複雑化に加えて、大地震や記録的豪雨といった大規模災害に対する都市の脆弱さも露見し、平和や安全に対する地域社会での意識醸成や防災対策も必要となっています。
こうした現状に対し、青年指導者として、この国や地域の未来についてメンバー同士で互いに語り合い、時には行政をはじめ地域の関係諸団体との交流を持ちながら、切磋琢磨し、長期的展望に立ったこのまちのビジョンを描いていきましょう。また、これまでのビジョンを検証した上で、私たちがどうあるべきか、何が出来るかを議論し、まちづくり、ひとづくりといった活動を行っていく私たち組織のビジョンを明快に描く必要があります。


積小為大の精神で経営を実践しよう

そうしたビジョンに向けて着実な実践を行っていくためには、理念に立ち返りながら、組織が最善のパフォーマンスを発揮するように、経営の根幹となる組織の仕組みを運営し、様々な業務改善に努めなければなりません。青年会議所は、40歳という年齢制限があり、1年で役職が変わるという組織です。だからこそ、常に組織は若返り、個人は多くの学びを得て、新しいアイデアや手法を生みながら、地域社会への貢献に、より多くのメンバーが積極的に参画していくことが出来ます。

そうした組織の特色を活かすためにも、当事者意識を持って率先垂範し、積小為大の精神で創意工夫し、より生産性の高い組織運営を模索していきましょう。例えば、会議の在り方を見直し、互いの貴重な時間を使っていることを認識し、限られた時間内に個々が共創の精神を持つ同志として議論を建設的に深めるべきです。

さらに、明確な理念に基づいて実践される有意義な私たちの活動や運動は、メンバーのみならず社会のためにも、より早く、広く、正しく社会に発信し、分かりやすく伝えていく責任があります。同時に、社会の声に耳を傾け、社会との繋がりを深めていくことで、ブランディングを進めていくこととなります。


和して親しみ一致団結しよう

こうした組織経営に加えて最も大切なのは、「人の和」であります。明るい豊かな社会に向けた私たちの活動や運動は、どれだけ優秀な人材が集まろうとも、和がなければ成果は得られません。まして一団体のみで出来るものでも決してありません。
私たちメンバー同士が和を大切に感謝協力し、個性を活かしながら一致団結することと、歴史と伝統ある団体として、社会との繋がりを大切にしながら、共存共栄していくことが重要です。支えてくれる家族やご指導ご鞭撻を賜る特別会員の皆さまに深い感謝を伝え、私たちの想いを理解して頂くためにも親睦を深めなければなりません。
また、青年会議所のネットワークは日本全国、世界へと繋がっています。社会的、国家的、国際的な責任を自覚した同志と協働し、連携を図ることも大きな力となります。
そのためにも、和敬清寂の精神でおもてなしを行い、絆を深めるとともに、ひとつひとつのご縁を大切にしていきましょう。


組織をさらに発展させよう

こうして団体として大きな力を得ていく一方で、百名を超える会員数がいた時代から減少傾向に陥りつつある組織経営に強い危機感を持つべきであります。時代を言い訳にするのではなく、そうした地域経済縮小の危機にこそ、私たち経済人の人間力や経営力が試されるのであり、同志を一人でも多く募るべきであります。
多くの同志を募るためには、年間を通じて、私たちメンバー全員が拡大に関する目標を共有するとともに、将来の同志との交流の場を設けるなど、一人でも多くの情報を多方面から集める仕組みをつくり、青年会議所の活動や運動をしっかりと理解していただくことが必要です。
「組織は人なり」といいます。組織をさらに発展するために、人間として、日本人として、身を修めるとともに切磋琢磨して人格を養い、青年経済人として、各々が所属する組織の経営理念を定め、経営戦略を見直すことで、地域経済に物心ともに貢献していける人財へと成長していきましょう。戦後、日本国憲法が制定されてから70年経ち、成熟社会にある日本において、多様化した価値観のなか、人間とは何か、日本人とは何かを見つめなおす必要があります。また、長寿企業の多い日本には、長期的視野を持つ、従事する人を育てることを基本とする、事業を通じて社会に貢献する、顧客を第一に考える、本業を貫きながら時代に合わせて変革を行うといった精神文化があるとされています。そうした経営哲学を養うことも確固たる自主自立の基盤を養い、社会に向けた公共性のある活動を行うために必要です。


歴史と風土に基づいた日本の心を学ぶまちづくり

加古川市、播磨町、稲美町の地域は、高御位山や印南野台地と加古川といった豊かな自然に恵まれた風土のなかで、古代から綿々とつながる歴史があり、文化が培われ、人々の営みが繁栄してきました。日岡御陵には、古事記、日本書紀、播磨国風土記の記述にもある倭建命の生母とされる播磨稲日大郎姫が祀られ、国宝を抱える鶴林寺では、聖徳太子ゆかりの地として、神仏習合を学ぶことができます。宮本武蔵とゆかりのある泊神社、教信上人の教えが残る教信寺、さらに、稲美町の天満大池、播磨町の大中遺跡、山陽道の宿場町として栄えた街並み、鹿児島県知覧町に向かう戦闘機の集結拠点であった加古川飛行場跡地、高度経済成長期以降の日本を牽引してきた播磨臨海工業地帯と、日本の歴史を知る文化財や施設が極めて豊富です。
しかし、こうした歴史や風土を地域の特色として十分に活かしたまちづくりが出来ているでしょうか。私たちのまちに点在する地域の資源を大切にするとともに加古川地域を知ってもらい、訪れて頂けるような観光資産としてより発信できるよう創意工夫しなければなりません。地域の自然を活かした取り組みを行うこと、古代からつづく地域の歴史を分かりやすく発信して知ってもらうこと、文化財の見せ方や楽しみ方を工夫して学んでいただくこと、まち全体でリピートして滞在したくなる仕組みをつくることに一石を投じたいと考えます。観光立国日本という夢の実現に、私たちの地域からも既成概念にとらわれず長期的視野をもって真剣に地道に挑戦していく。一朝一夕で出来ることではありませんが、地域とともに力を合わせていくためにも、夢を描く私たち青年の力が必要です。
さらに、私たちの地域に残る歴史からは、次代へと伝えるべき精神性を紡ぎ出すことができ、地域の愛着を深め、日本の心を学んでいくことが出来るということを認識しましょう。私たちのまちに縁のある古代日本建国の精神、聖徳太子の時代における和の精神、五輪書にも描かれる武士道の精神、激動の近現代史を生きた青年たちの志から、そうした日本の伝統精神を学び、地域や国家への愛着を深めることが出来ます。そして、青少年をはじめ地域の人々にそれらを伝承しながら、道徳心を養い次代へ日本の心を伝えていくことも時代のつなぎ目としての青年の重要な役割です。


青年指導者の使命を悟り勇気をもって挑戦しよう

青年会議所は、理想社会に向けた具体的施策をもった青年指導者による団体として、青年の力で実践を積み重ねていく団体です。そうした誇り高き団体に所属することを自覚した私たちの前にこそ、越えていくべき様々な困難や厳しい現実が直面します。
しかし、道は無限にあります。いかなる困難も決して諦めることなく耐え忍び、夢に向けた使命感と社会を良くしようとする志からくる強い想いを胸に抱き、懸命に為すべきことを為すならば、必ず道は開けてきます。その先に、天の時、地の利、人の和に恵まれ、メンバーや地域社会を目覚めさせ、さらなるプロセスへと拡がり社会を変革していくような最高形の事業が実現すると信じましょう。事業の手法についても、政策提言活動やクラウドファンディングなど、これまでに無いような新しい取り組みに勇気を持って率先して実践していくことも社会から期待される青年の役割です。


克己復礼、忘己利他 ― SERVICE TO HUMANITY IS THE BEST WORK OF LIFE

人間には、様々な私欲や私心があるに加え、無知や妄想が人間本来の持つ素晴らしき個性、本性を隠してしまっています。自身の良心や理性に従ってそうした煩悩を取り払い、勤勉に精力善用して己に克つこと、そして、安定調和した精神で以って礼儀に生きる。さらに、人類の繁栄、平和、幸福に貢献するという大きな志を抱くとき、あるいは目の前の困っている人を助けようとするとき、利己的な感情から解き放たれ、慈悲に満ち、他を利するという使命が天命となり、人生はより豊かに、満ち足りたものになります。青年経済人として活躍すべき私たちが、青年会議所での活動を通じて、世のため、人のために自ら汗をかくことは、つまりは自分たちのためでもあるのです。
幸運にもこのような素晴らしき団体に所属して、同志と活動を共にできることに感謝しながら和を大切にし、主体性を持った上で様々な知恵に耳を傾け、古今東西の情報を吟味しながら衆知を集めていくことにより、私たちの活動や運動は真理に近づき、次代に向けてさらなる繁栄を約束されることでしょう。

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